いつもふざけた事しか書かない中川ですが、今回は、インタビュー記事として真面目に書きたいと思います。
そう思っていたのですが、いざ書いてみるとそのスキルが無い事が判明いたしました。何度も挑戦したのですが、上手くまとめることが出来ない。お蔵入りさせようかと思いましたが、せっかく貴重なお時間をいただいたのに無駄に出来ないので、なんとか文章化を試みました。
インタビュー記事ではなく、主観的な構成になっております。表面的な解釈や自分の意見が入り込んでいます。正しくは、京都クリエイティブ・アッサンブラージュを読んでください。従来のマーケティング理論とは全く違う、刺激的な話が満載です。最高に面白いです。
エステティック・ストラテジー
エステティック・ストラテジーの自分流の解釈では、
イノベーションとは、文化の創造であり、アートとは社会批判であり、資本主義とは、アートによる新領域開拓により起こるイノベーションという発展で駆動する。だから、社会の暗部のような敗者的存在をアート的視点で観察し特定し、敗者を暗部としてではなく社会の一員として取り込む、このある種の革命的行為であるイノベーションを成すことこそが重要である。そして、ビジネス的な成功もこの一連の行為に付随するものであり、社会善と利益を両立させる理論であり、この無謀を成立させるための原動力が美学(世界観)である。
ことだと捉えています。
人を是として展開する従来のマーケティング理論ではなく、人も変革の対象として捉える理論を探しておりました。そこに、ビシッと明確な答えを提示したこの理論は、スカッと爽快感があります。金儲けだけでは満足できない人だと、最高に楽しめるはずです。
ニワカケルの思想の源流
ニワカケルの思想は、自分自身を実験台にした体験を起点に発想しています。
自分が実際にやってみて、楽しいか楽しくないかを考察するのですが、考察という段階が難しい。自分が判断するので、その時の気分や考えによってブレます。でも、このブレが大事だと思います。万人に共通の尺度みたいなものは無いし、共通するものにまで落とし込むと当たり前のつまらないものになる。重要なのは、いい感じにブレさせるってことです。
思想とは偏見です。腐敗と発酵みたいな関係です。偏見の中には、ごくたまに都合のいい偏見があります。それを思想と呼び、常識として定着します。なので、自分の偏見が変な方向に暴走しないように、他の人の意見を参考にしながら暴走させています。
不確定な未来の一つの可能性を掴む行為、理論と勘の博打です。
実は、3名の理論的なことを参考にさせていただいている方がいます。1人目は、大学院でお世話になった京都芸術大学の尼崎先生と町田先生、2人目は、動画で拝見する落合陽一、3人目は、上記の京都大学の山内先生です。
敗者
ブログの所々で、敗者って単語出てきますが、その元ネタはエステティック・ストラテジーです。
まず、自分自身が敗者であり、生粋の逆張り野郎なので敗者的な立ち位置に付きたがる習性があります。勝者ではなく挑戦者でありたいので、流れで敗者的な存在になります。
いま自分が考えている敗者とは、
・田舎
・野性(本能や身体性や足るを知る感性)
が大きな要素です。他にも、色々とあるのですが話が無駄に長くなるので割愛します。
実は、ここまでが前置きです。
ようやく相談したことにつながっていきます。
エリート的になっている問題
エステティック・ストラテジーでは、世界観を重要視します。
簡単に言えば、何をどう表現するのか。ただそれだけです。
簡単こそが一番難しい。
初めてのデートで食べたいものを聞いたときに、なんか美味しい物と答えられた時の絶望感と同じです。
丁寧に説明されると理解が難しくなりますが、実行するのは簡単になります。
ここからは、少し難しい話になります。
自分
「田舎を満喫するには空き地の有効活用が重要だから、遊ぶ庭に転換していきたい。そこで、小屋とかを販売してみようかと考えています。」
山内先生
「それはいい考えですが、現状だと田舎をよく見せすぎてしまっている。エリート的な表現になってしまっているので、もっとフラットにしたほうがいい。」
たしかに!
自分をよく見せようとし過ぎている。田舎の意識高い感じの人になっている。野性と言いながら理屈が勝っている。
そこでいただいたのが、「もっと軽くした方がいい」ということです。
軽さの重要性
他の記事でも、軽い方がいいと度々書いているのですが、その軽さは、エステティック・ストラテジーの考えから来ています。質量や意味を軽くする事に正義がある。多くの領域で重みをつけて価値を出す事に限界が来ています。軽さを求めるのは、時代的な要請でもあります。軽くすることの例は、ソフトウェア領域ではオンプレミスが駆逐されクラウド化し軽くなるようになっています。経営的には軽い方が色々と有利にはたらく時代です。地球環境とか考えると人の持つ権利も軽くしていく必要もある。
自分が感じるのは、幸福追求権という幻想が重い。自分が思う正確な表現は、幸福追求「義務」です。権利という名の、義務であり税金みたいなものです。税金が重くて喜ぶ人は、財務省ぐらいです。税金なら軽い方がいい。義務とか役職とかも軽い方がいい。出世を望まない人が増加し、結婚しない人も増加している。重い人間関係から田舎を脱出する人は後を絶たない。
軽くすることの重要性とは、物事を重くすることで発生する利益と不利益の構造を取り除くことでもあると捉えています。
田舎最高とか、野性最高とかを言い過ぎるのは重い。想いが重い。小屋も質量的に重い。
たしかに、軽やかに、すべて軽やかにしていくとスゴクいい気がする。
軽い方がわかる。
ガレージという世界観
相談している中で、色々とキーワードをいただいたのですが、一番残っているのは「ガレージ感」です。アメリカのガレージ文化です。自分は、アメリカに行ったことが無いのでわからないのですが、アメリカではガレージとか特別な存在です。ジョブスは、ガレージからスタートしたとか、成功者のスタートがガレージから始まる物語が多くあります。アメリカのガレージは、駐車場だけではなく、趣味の場であり作業場であり仲間と集う場でもあったりします。ラフに使える気楽な場所です。秘密基地みたいな場所なのかもしれません。
自分が目指す庭って、ほぼガレージです。
アメリカのガレージ文化に自然要素付け加えたものが、ニワカケルの目指す世界なんですが、上手く表現するような言葉がない。そういった文化がないから言葉が無い。文化を創造するという局面に立ち会っている事なのかと思います。
ビジネスで革命を
自分が、エステティック・ストラテジーに興味を持ったのは、自分の抱えているモヤモヤしているものを言語化でき加速されられ、それをビジネスの文脈に落とし込むことが出来るって事です。
ツラツラと書いているこの連載ですが、理論的な背景がここにあったりします。文化とイノベーションとビジネスが一体化しているので、自分みたいな複雑にこじれた人間にはピッタリです。
今回のインタビューでは上手く聞くことが出来なかったので書いていないのですが、ニワカケルの取組みは、エステティック・ストラテジーに一部は乗れているそうです。
細部についてお伺いできるとよかったのですが、踏み込んだ話をできるほどの技量がなかったので、成長したら次回またお願いいたします。